大塚 浩史 (おおつか ひろし, Ohtsuka, Hiroshi)
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専門分野
変分問題、非線形偏微分方程式、数理物理
研究テーマ
非線形偏微分方程式の解および解集合の解析。特に爆発現象の解析とその応用
研究内容
これまで,空気や水など,流体と呼ばれるものの平面的な運動を研究してきました.特に,点渦と呼ばれる対象(非常に大雑把に言うと,台風の目のようなもの)に興味があり,その個々の運動,集団の運動,そして点渦の運動に帰着するような現象を調べてきました.点渦は,流体の運動を記述する簡単な模型として知られますが,実はその流体力学における由来(なぜこれでよいのか,ということ)は明確ではないのではないかと思っています.興味深いことに,点渦(と見なせるもの)はしばしば他のものを解析しているとき(例えば曲面の変形,アメーバの運動など)にも現れることがあり,点渦を巡る話題は,必ずしも流体に限定されないもののようです.というわけで,物理学,幾何学,数理生物学など,関連すると思われるものは総動員して,点渦とはなにか,ということを総合的に研究しています.
主要論文
  • M. Grossi, H. Ohtsuka, and T. Suzuki: Asymptotic non-degeneracy of the multiple blow-up solutions to the Gel’fand problem in two space dimensions, Advances in Differential Equations 16(1-2), (2011), 145–164.
  • H. Ohtsuka, T. Ricciardi, and T. Suzuki: Blow-up analysis for an elliptic equation describing stationary vortex flows with variable intensities in 2D-turbulence, J. Differ. Equ. 249(6), (2010), 1436–1465.
  • H. Ohtsuka: On the evolution of a high-energy vorticity in an ideal fluid, Kyushu. J. Math. 53 (1999), 37–58.
セミナー紹介
4年生,大学院生に関わらず,まず,偏微分方程式や変分法(無限次元空間での微分法)に関するテキストを予備知識に応じて選び,輪読していきます.例えば,最近修士課程1年で用いたテキストは,金子晃著「偏微分方程式入門」(東大出版会)ですが,この本のように,抽象的な偏微分方程式論や変分法を学ぶ前に,方程式の導出,基本的性質,数学的結論の意味するところなどを考察することを重視しています.その後,残り時間に応じてテーマを絞って現代的な議論を学ぶことになります.数学は議論を尽くして組み上げていく学問のように思えますが,実は,方程式を導く過程などの根源的なところにも,妥当な結論を導くのに必要な議論の余地が残されている場合があると思っています.我々が扱う「式」がなにを扱うものなのか,どうしても気になってしまう人は是非一緒に考えましょう.