10月27日(水) 16:45〜17:45 ※オンライン開催(接続情報は末尾に)
作間 誠 氏 (大阪市立大学)
Riley が探知した鉱脈
アブストラクト: 異色の数学者 Robert F. Riley (1935-2000) は自分のことを “a 19th-century mathematician with the added advantage of being able to use modern computational tools”と描写していた.まだコンピュータが普及していなかった当時からコンピュータを活用して結び目群の線形表現を中心に研究を進め,樹下・寺坂結び目とコンウェイ結び目の非同値性の初めての証明,8の字結び目補空間の双曲構造の構成,2つの放物変換で生成される離散群の研究,などの業績を残した.また結び目の巡回分岐被覆の位数の漸近挙動に関する先駆的研究も行なっている.自分の研究を「example only」と評する諧謔も残しているが,
Thurston に多大な影響を与えた8の字結び目の研究に代表されるように,その研究は豊かな鉱脈を探知していた.本講演では,Riley の業績を振り返り,その影響と示唆する今後の研究課題を,講演者の研究も交えながら述べる予定である.
参考文献
R. Riley, A personal account of the discovery of hyperbolic structures on some knot complements,
Expo. Math. 31 (2013), no. 2, 104–115.
M. Sakuma, A survey of the impact of Thurston’s work on knot theory,
In tradition of Thurston, ed. K. Ohshika, A. Papadopoulous, pp.67–171, Springer 2020.
【補足】
・作間先生はその週に金沢大学にて集中講義を実施されます。
・この数理学談話会はオンライン開催のため、恒例の茶話会はありません。
Zoom:https://kanazawa-university.zoom.us/j/83574652317?pwd=M0JQcHBLNUd6YUpHdHhIWWFuRGJlUT09
ミーティングID: 835 7465 2317
パスコード: 619787
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6月23日(水) 16:45〜17:45 自然科学5号館第8講義室
※オンライン同時配信も行います.
赤堀 次郎 氏 (立命館大学)
変分不等式/自由境界値問題のDeep Solverについて
アブストラクト: 最近,Deep Solver と呼ばれる2階の半線形微分方程式の数値解法が数理ファイナンス/確率数値解析分野において注目を集めている.Deep Solverとは, 半線形微分方程式の解の前進後退確率微分方程式による表現を利用して,Deep Neural Network の手法を 適用するという数値解法で,高次元において著しい有効性があると多くの研究が報告している.
同様の手法は,反射型前進後退確率微分方程式による表現を用いて, 変分不等式/自由境界値問題に適用することができる.本講演では,金沢大学の小俣氏らによって提案されたMorse flow を用いた手法とDeep Solver の手法との関連に焦点を当て,新しいアルゴリズムの可能性と,関連する数学の問題について提起を行いたい.
【注意】
– オンラインでの参加を希望する方(数物科学系教員を除く)は,事前に今村先生(imamuray@se.kanazawa-u.ac.jp)までご連絡ください。
– オンラインでの参加を希望されない方は,自然科学5号館第8講義室にて講演の聴講が可能です.
聴講希望の方はマスク着用など感染防止対策をした上でご参加ください.