川上 裕 (かわかみ ゆう, Kawakami, Yu)   Researcher Information(研究者情報)


専門分野
幾何解析学(微分幾何学、複素解析学)
研究テーマ
空間型内の曲面・部分多様体に関わる幾何解析学の研究
研究内容
私は空間形内の曲面・部分多様体に関わる幾何解析の諸問題を研究しています.具体的には,石鹸膜の数学的モデルである極小曲面やシャボン玉の数学的モデルである平均曲率一定曲面の大域的性質,特にベルンシュタイン型定理やガウス写像の値分布論的性質を調べています.また,リウヴィルの定理やシュワルツの補題といった複素解析学から生じた幾何解析学の問題の研究にも取り組んでいます.
主要論文
  • “Heinz-type mean curvature estimates in Lorentz-Minkowski space”, Revista Matem\’atica Complutense, DOI:10.1007/s13163-020-00373-9. (with A. Honda, M. Koiso and S. Tori).
  • “Value distribution for the Gauss maps of various classes of surfaces”, Sugaku Expositions 33 (2020), 223–237.
  • “On the maximal number of exceptional values of Gauss maps for various classes of surfaces”, Math. Z., 274 (2013), 1249 — 1260.
セミナー紹介
学類4年次のセミナーでは,曲線・曲面論,複素解析学や微分方程式の入門的なテキストを選び,輪講形式でセミナーを行い,幾何解析学の基礎の習得を目標とします.大学院のセミナーでは,研究分野の基礎となる文献を精読し,その後は各学生の興味に応じて研究課題を定め,修士論文・博士論文を作成します.

[学部4年次セミナーテキストの例]

  • 梅原雅顕・山田光太郎共著 「曲線と曲面  微分幾何的アプローチ(改訂版)」
  • 加須栄篤著「ベクトル解析」
  • 小林昭七著 「曲線と曲面の微分幾何(改訂版)」
  • 小林真平著 「曲面とベクトル解析」
  • 藤本坦孝著 「複素解析」
  • M. P. do Carmo著 “Differential Forms and Applications”
  • K. Kenmotsu著 “Surfaces with Constant Mean Curvature”
  • R. Osserman著 “A Survey of Minimal Surface”
[過去の担当学生の修士論文の例]

  • 4次元Euclid空間内の完備極小曲面のGauss写像の除外値数の幾何学的解釈について
  • ユークリッドおよびローレンツ空間の平均曲率一定曲面について
  • アールフォルスの補題に基づくピカールの定理の証明について