宮地 秀樹 (みやち ひでき, Miyachi, Hideki) (研究者情報)
- 専門分野
- 複素解析学,タイヒミュラー理論
- 研究テーマ
- タイヒミュラー理論の研究
- 研究内容
- タイヒミュラー空間論の舞台となるタイヒミュラー空間はリーマン面(一次元複素多様体)の変形空間であるモジュライ空間の普遍被覆空間と認識される空間であり,解析学,微分幾何学,位相幾何学,代数幾何学など様々な分野において研究及び応用されています.タイヒミュラー空間は複素多様体であり,その複素構造の下で複素解析的曲面束の族に関する普遍性を持つ空間です.現在は,リーマン面の退化にかかる位相幾何学的側面を通して,タイヒミュラー空間上で定義される正則関数の幾何学的解釈(理解)を目標に研究しています.
- 主要論文
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- Hideki Miyachi, “Geometry of the Gromov product: Geometry at infinity of Teichmueller space”, Journal of Mathematical Society of Japan, 69 (2017), 995-1049
- Hideki Miyachi, “Unification of the extremal length geometry on Teichmüller space via intersection number”, Mathematische Zeitschrift 278 (2014), 1065-1095
- Hideki Miyachi, “Teichmüller rays and the Gardiner-Masur boundary of Teichmüller space II”, Geometriae Dedicata, 162 (2013), 283–304
- Hideki Miyachi, “Teichmüller rays and the Gardiner-Masur boundary of Teichmüller space”, Geometriae Dedicata 137 (2008), 113–141
- セミナー紹介
- 学生の予備知識を考慮して,学生が勉強したい分野や研究から(私(宮地)が理解できる範囲で)本や論文を選んで勉強します.学生には卒業後に「数学科に来て数学を勉強した」と思えるようになって欲しいと考えています.進学を希望する学生には,進学後の専門的な研究に備えるため,学類4年次のセミナーでは基礎的な本や論説を勧めます(発展的な内容を強く希望する場合はその限りではありません).
[セミナーで用いたテキストの例]
- F. Gehring and K. Hag, The Ubiquitous Quasidisk, Mathematical Surveys and Monographs, AMS
- F. Bonahon, Low-Dimensional Geometry: From Euclidean Surfaces to Hyperbolic Knots, Student Mathematical Library, AMS
- D. Francoise, Geodesic and Horocyclic trajectory, Universitext, Springer-Verlag
[過去の担当学生の修士論文の例]
- 双曲曲面の剪断コサイクルについて
- 双曲幾何学を用いたMarkoff予想へのアプローチについて
- 3点穴あき球面の真性不連続アフィン変形とその固定軸