第99回金沢解析セミナー(2022/12/9)

日時:12月9日(金) 16:30–18:00 第99回金沢解析セミナー

場所:ハイブリッド(対面:自然科学5号館コロキウム3, オンライン参加登録:https://forms.gle/GXRN3jgCSrK4Xw2X7

講演者: 竹田 航太 氏 (京都大学)

タイトル : 球面上の平均場方程式に対するHMCを用いたモンテカルロアプローチ

アブストラクト:
    2次元乱流の統計的性質を理解するために,N点渦系という近似モデルを導入し,系の不変測度を調べるというアプローチがある.N点渦系について,N体問題を1体問題へ帰着する平均場近似を適用することで,不変測度のN無限大極限が満たすべき方程式である平均場方程式が導かれる.平面上のN点渦系については平均場方程式が導かれ解の挙動が知られているが,球面上では未解明である.本研究では,不変測度の数値解析により球面上の平均場方程式を調べる.しかし,N点渦系の不変測度の計算は長時間直接数値計算を必要とするためコストが高い.このため,次に示すハミルトニアンモンテカルロ(HMC)を用いて,球面上N点渦系の不変測度をモンテカルロ近似する手法を提案する.
 HMCはマルコフ遷移を用いたサンプリング法の1種であり,ハミルトン力学の性質を利用して可逆なマルコフ遷移を構成することで効率良くサンプリングを行う.多様体上のHMCについて,一般的な条件下での収束定理は知られているが,漸近的な誤差評価が未解決である.そこで,本研究では,多様体にコンパクトという条件を設けることでHMCの収束について漸近的な誤差評価を示し,サンプリングの効率性を保証する.
 本講演では,まずコンパクト多様体上HMCの漸近誤差評価について説明する.次に,HMCを用いて球面上N点渦系の不変測度をモンテカルロ近似し,平均場方程式に関する解析結果を示す.